ネガティブ思考3



胸の奥にある想い。
奥深くにしまい込んでいたから、必要なときにはもう出てこなかった。
喉元まで出かかった頃には、もう手遅れだったりする。

視界は赤。

周囲は激闘のはずなのに、何も聞こえなかった。
違う、聞きたくなかった。

俺が聞きたいのは、



「平助!」
「……ん、ぱっつぁん……」
「おい、死ぬな、平助っ!」
「俺、……」
「平助?」
「……っ」

「おい!平助!?」
「……、」
「嘘だろ!こんなっ……!」
「……」
「平助、俺は……っ」


視界は赤。
そして黒。


好きだなんてただの絶望だ。


2015.1.19
inserted by FC2 system